佐藤佐太郎 植物の歌〜検索表
佐藤佐太郎は、花を中心に様々な植物を対象とした作品を生涯に2000首ほど成してゐます。ここでは、その内、植物の種類が具体的に読みとれる作品1890首(延べ2016首)の全てを「あいうえお・・」の音順に登載してゐます。 |
検索は「あ行」など音順を示すところをクリックしてください。 (検索表のPは短歌新聞社発行の各文庫本に掲載されてゐる頁を示す) |
あ 行 | か 行 | さ 行 | た 行 |
な 行 | は 行 | ま 行 | や・ら・わ行 |
(■色の表記部分はホームページに最初に公開した後に、追加又は修正記入した箇所です)
あ行 361首 |
〔あ〕125首 ○あかざ 7首(シロザの変種) ○あかしあ 5首(掲載の短歌作品は分類上のハリエンジュであり一般的に「にせあかしあ」と呼ばれるもの。『星宿』のアカシアも中国訪問が5月上旬であったことからエンジュではなくハリエンジュと推定される。)) ○あかんさす 1首(ハアザミ属の総称。一般的には種名ハアザミ〔Acanthus mollis〕を指す) ○あけび 5首 ○あさ 2首(亜麻〔あま〕、苧麻〔ちよま〕などから作る繊維の総称) ○あさがほ 2首 ○あし 50首(分類上:ヨシ) ○あしたば 1首 ○あしび 2首(分類上:アセビ) ○あぢさゐ 11首(属名。一般的には種名アジサイ〔Hydrangea macrophylla〕を指す。ガクアジサイ、手まり咲きのアジサイ) ○あづき 2首 ○あは 4首 ○あふひ 7首(科名。短歌作品にはタチアオイ属・ゼニアオイ属等が共に含まれるか? 「たちあふひ」は別掲) ○あふち 2首(分類上:センダン) ○あべりあ 2首(属名がAbelia〔ツクバネウツギ属〕である。一般的には園芸品種のハナツクバネウツギ〔別名:ハナゾノツクバネウツギ〕を指してアベリアと呼ぶ) ○あやめ 2首 ○あらめ 2首 ○あららぎ 1首(分類上:イチイ) ○あをき 5首 ○あをぎり 8首 ○あをさ 3首(属名) ○あんず 1首(別名:からもも・アプリコット) 〔い〕154首 ○いそなでしこ 1首(分類上:ハマナデシコ。別名:フジナデシコ) ○いたどり 23首 ○いたやかへで 4首 ○いちご 3首(広義にはオランダイチゴ属の総称。狭義には改良品種Fragaria ×ananassa〔オランダイチゴ〕」を指す) ○いちじく 9首 ○いちはつ(イチハツは外花被片の中央部にとさか状の突起を有し、乾いた土に生える。短歌作品の鳶尾草は黄菖蒲の可能性が残る) 1首 ○いちやう 48首 ○いぬたで 1首(別名:あかまんま) ○いね 52首(水稲〔すいたう〕) ○いね 4首(陸稲〔をかぼ・りくたう〕) ○いはつつじ 1首(掲載の短歌作品が分類上のイワツツジを指すか、岩に自生してゐる白花の他のツツジ類を指すか不詳) ○いはぶき 1首(分類上のダイモンジソウを指すか?) ○いばら 1首(短歌作品の「茨」が分類上のノイバラを指すか、棘のある他の低木を指すか不詳) ○いひぎり 4首(別名:なんてんぎり) ○いんげん 1首(分類上:インゲンマメ) 〔う〕45首 ○うきくさ 3首(短歌作品には、被子植物であるウキクサのほかに、水生シダで紅葉するアカウキクサ属が含まれるか?) ○うつぎ 3首(別名:うのはな) ○うど 2首 ○うめ(白梅・紅梅) 36首 ○うめもどき 1首 〔え〕5首 ○えぞまつ 1首 ○えにしだ 1首 ○えんばく 1首(別名:オート麦) ○えんれいさう 2首(短歌作品はミヤマエンレイソウ〔別名:シロバナエンレイソウ〕であり、エンレイソウとは同属別種) 〔お〕32首 ○おいらんさう 4首(分類上:クサキョウチクトウ。別名:宿根フロックス) ○おしろいばな 17首 ○おほばこ 1首(別名:車前草〔しやぜんさう〕 ○おりーぶ 8首 ○おれんぢ 2首(英名がorange,学名はCitrus sinensis。ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジなどがある。) |
か行 397首 |
〔か〕144首 ○かいじゆ 2首(分類上:カイノキ) ○かいだう 3首(分類上:ハナカイドウ) ○かうじ@ 1首(柑橘類のコウジミカン) ○かうじA 1首(子嚢菌門のコウジカビ) ○かうほね 1首 ○がくあぢさゐ(→「あぢさゐ」の頁に掲載) ○かき 61首(分類上:カキノキ) ○かし 9首(狭義には分類上のアカガシ亜属〔アカガシ・シラカシ・アラカシなど〕を指す) ○かしは 6首 ○かぢのき 1首 ○かつら 1首 ○かなめもち 3首(別名:アカメモチ等) ○かひがらさう 1首(分類上:ムギワラギク) ○かぶ 1首(別名:カブラナ等) ○かへで 15首(カエデ〔楓〕は属名で、この中にイロハモミジ・イタヤカエデなどの種を含む。またモミジはカエデ〔属〕を指す場合もあれば植物全般の黄葉・紅葉を指す場合もある) ○かぼす 1首 ○かぼちや 5首(属名) ○かまつか(→短歌作品では「葉鶏頭」・「雁来紅」・「かまつか」と表記しているが、全て正式和名は「ハゲイトウ」。このため「はげいとう」の頁に掲載。なお、短歌作品では「雁来紅(がんらいこう」も「葉鶏頭」の古名「かまつか」と読んでいる。なお「かまつか」は、現代ではバラ科の樹木「カマツカ(鎌柄」の正式和名として用いられている。 ○かや@(→「すすき」の頁に掲載。イネ科。分類上:ススキ。別名:オバナ) ○かやA 2首(裸子植物門イチイ科カヤ属カヤ) ○からたち 3首 ○からまつ 12首 ○かんしよ 2首(分類上:サツマイモ) ○かんな 1首(属名) ○かんらん 5首(アブラナ科。分類上:キャベツ〔ヤセイカンランの変種の一つ〕) ○がじゆまる 6首(漢名:榕樹〔ようじゆ〕) ○がま 1首 ○がまずみ(→「よつづみ」の頁に掲載) 〔き〕63首 ○きうり 5首 ○きく 28首(科名又は属名。狭義のキクは中国での交配種を基に、改良が重ねられて来たとされる園芸品種のイエギクを指す。このイエギクは更に、「和菊」と「洋菊」に分けられることがある。日本には、このイエギクのほかに、野生種でノギクと称されるものも多い〔ノジギク(キク属)、ノコンギク(シオン属)、ヨメナ(ヨメナ属又はシオン属)等々〕。なほ、短歌作品の殆どはイエギクと思はれる) ○きくいも 2首(北アメリカ原産。キク科ヒマワリ属) ○きすげ 8首(ユリ科Hemerocallis属の植物。Hemerocallis属は和名ワスレグサ属ともキスゲ属ともヘメロカリス属とも言ふ。この属には@ユウスゲ〔別名:キスゲ〕、Aゼンテイカ〔別名:ニッコウキスゲ・エゾカンゾウ(別名:エゾゼンテイカ)・トビシマカンゾウ等。これらニッコウキスゲ・エゾカンゾウ(別名:エゾゼンテイカ)・トビシマカンゾウは変種として扱はれることもある〕、Bワスレグサ〔ノカンゾウ・ヤブカンゾウ等の変種がある〕などが含まれる。短歌作品は、『歩道』〔尾瀬:変種名としてのニッコウキスゲ〕の2首、『群丘』〔竜飛:変種名としてのニッコウキスゲ〕の2首、『開冬』昭和46年〔礼文島:変種名としてのエゾカンゾウ〕の一首、『地表』〔飛島:変種名としてのトビシマカンゾウ〕の一首がゼンテイカと思はれる。その他の短歌作品はヤブカンゾウ・ノカンゾウか? 漢字表記は「萱草」で、マメ科の「甘草」とは別科) ○きのこ 1首(目・科・属・種名は不詳。菌類の内、肉眼で見える程度の子実体〔きのこ〕を形成するもの或いは子実体そのものを一般に「きのこ」と言ふ) ○きび 2首 ○きみがよらん(リュウゼツランに移行) ○きり 5首 ○きりんさう 2首(キリンソウは、ベンケイソウ科に属し、岩場など日当たりの良い乾燥地を好む植物。歌集『形影』の作品はキク科アキノキリンソウ属のセイタカアワダチソウか?) ○きわた(→「もめん」の頁に掲載) ○きんせんくわ 2首 ○きんぽうげ 1首(分類上:ウマノアシガタ) ○きんもくせい 4首(キンモクセイは本来、ギンモクセイを基本種とする変種名〔或いは変種名〕。モクセイは属名であるが、一般的にはキンモクセイ・ギンモクセイ・ウスギモクセイ〔香りがやや弱い〕などを総称する場合と、キンモクセイを略してモクセイと言ふ場合などがある。『黄月』の短歌作品はキンモクセイと思はれるが、『星宿』の短歌作品は何れのモクセイか不詳) ○ぎぼうしゆ 2首(属名。分類上の正式な属名はギボウシであり、日本にはイワギボウシ・オオバギボウシなどの自生種がある。ギボシとも言ふ) 〔く〕75首 ○くこ 8首 ○くすのき 21首(別名:クス) ○くず 9首 ○くぬぎ 4首 ○くは 14首(属名。掲載の短歌作品は栽培品種〔交雑種〕又は分類上の種名ヤマグワと思はれる) ○くまざさ 4首 ○くり 5首(クリは属名であり、ニホングリ・ヨーロッパグリ・シナグリなどの種がある) ○くるみ 3首(属名。種名オニグルミ・ヒメグルミは日本の自生種) ○くれそん 1首(分類上:オランダガラシ。別名:ミズガラシ) ○くわりん 1首 ○くわゐ1首(オモダカの変種で食用) ○くわんざう(→「きすげ」の頁に登載) ○ぐみ 4首(属名。日本にはナツグミ・アキグミ等々が自生する) 〔け〕70首 ○けいとう 15首(ハゲイトウ=カマツカ・ガンライコウとは同科・別属・別種) ○けし 7首(短歌作品の「けし」は、分類上のヒナゲシ〔別名:グビジンソウ〕である) ○けふちくたう 2首(キョウチクトウはインド原産。別種〔キョウチクトウの変種とも〕のセイヨウキョウチクトウは地中海沿岸原産。『冬木』の短歌作品はセイヨウキョウチクトウと思はれる) ○けやき 43首(別名:ツキ) ○げつかびじん 1首 ○げつけいじゆ 1首 ○げんげん 1首(分類上:ゲンゲ。別名:レンゲ・レンゲソウ・シウンエイ〔紫雲英〕) 〔こ〕46首 ○こうしよくき 2首(分類上:モミジアオイ。別名:紅蜀葵〔コウショッキ〕) ○こうぼふむぎ 1首 ○こくは 2首(分類上のサルナシ〔別名:シラクチカズラなど〕の果実) ○こけ 8首(綱・目・科・属名は不詳) ○こけもも 1首(ツツジ科に属する高山植物) ○こぶし 23首(歌集『開冬』以降の作品は、同属別種のハクモクレンと思はれる) ○こんぶ 3首(科名) ○ごくらくてうくわ 1首(属名。種名のゴクラクチョウカ〔Strelitzia reginae〕を指す場合もある) ○ごばう 1首 ○ごむ 4首(イチジク属の植物。観賞用は種名インドゴムノキ。天然ゴムの原料は種名パラゴムノキが主体。短歌作品はインドゴムノキと思はれる) |
さ行 356首 |
〔さ〕145首 ○さくら (八重桜・果実60首(亜属名〔または属名〕) ○ささ 24首(タケ亜科のうち、成長後もタケノコの皮が幹に残るものを一般的にササと称している:クマザサなど) ○ささげ 3首 ○さざんくわ 24首 ○さたうきび 1首 ○さつまいも(→「かんしよ」の頁に掲載。サツマイモは分類上の正式な名称〔種名〕であり、甘藷は別名) ○さといも 2首 ○さぼてん 3首(科名) ○さらのき 1首(分類上:ナツツバキ。ナツツバキを沙羅樹〔サラノキ(シャラノキ)〕とも言ふがフタバガキ科の娑羅双樹とは別科。短歌作品はナツツバキ) ○さるすべり 12首(別名:ヒャクジツコウ) ○さるなし(→果実は「こくは」とも言ふ。「こくは」の頁に掲載) ○さるをがせ 2首(地衣類であるサルオガセ属の総称) ○さんごじゆ 1首 ○さんせう 1首 ○ざくろ 11首 〔し〕117首 ○しうかいだう 1首(別名:ヨウラクソウ〔瓔珞草〕) ○しくらめん 1首 ○しだ 12首(シダ綱に属するものの総称) ○しだれざくら(→短歌作品は「さくら」の頁に他の桜と併せて掲載。シダレザクラはサクラ属の種の一つ) ○しの 4首(細くて群生するタケササ類の総称。シノダケ・シノザサとも) ○しば 30首(芝には種類が多く、コウライシバ・ノシバ〔分類上の和名:シバ〕など日本芝と呼ばれるもの、ブル―グラス・バミュ―ダグラス・ベントグラスなど西洋芝と呼ばれるものがある。短歌作品の多くは日本芝と思はれる) ○しひ 26首(主に近畿地方以西に自生するツブラジイ〔コジイ〕と福島県以西に分布するスダジイ〔ナガジイ〕の二種がある) ○しひたけ 1首(分類上:シイタケ) ○しやうじやうばかま (→分類上:ショウジョウバカマ〔猩々袴〕。「たうちばな」の頁に掲載) ○しやうぶ 6首(分類上のショウブ〔菖蒲湯に使うもの〕はサトイモ科に属し花は目立たない。掲載の短歌作品の多くは分類上のハナショウブ〔ハナショウブは園芸種。原種はノハナショウブ〕を指してゐると思はれる。アヤメ科アヤメ属では、花弁の基部が黄色のハナショウブ〔湿地性〕、白のカキツバタ〔湿地性〕、網目状のアヤメ〔草地など乾いたところに生育〕、シャガ〔帰化植物〕などが日本に自生。園芸種も多い) ○しやが 7首(中国からの帰化植物) ○しやくなげ 1首(日本にはツクシシャクナゲ・ハクサンシャクナゲ・アズマシャクナゲ・ホソバシャクナゲ・ヤクシマシャクナゲ・キバナシャクナゲ等が自生する) ○しゆろ 9首(属名。狭義にはワジュロを指す) ○しよかつさい 2首(分類上:オオアラセイトウ。別名:ムラサキハナナ。ハナダイコンとも。中国からの帰化植物) ○しらかば 12首(分類上:シラカンバ) ○しらねあふひ 1首 ○しをん 2首 ○じやからんだ 1首(属名) ○じんじゃー 1首(別名:ハナシュクシャ〔花縮砂〕・ジンジャーリリー) 〔す〕74首 ○すいせん 10首(属名) ○すいてふくわ 1首(通常フウチョウソウ属〔学名:Cleome(属名)〕のセイヨウフウチョウソウを指す) ○すいれん 6首(属名) ○すぎ 26首(日本の固有種) ○すすき 20首(分類上:ススキ。別名:カヤ・オバナ) ○すずかけ 1首(分類上:スズカケノキ。属名がPlatanus。街路樹のスズカケノキは交配種のモミジバスズカケノキが多い) ○すずらん 1首(別名:キミカゲソウ〔君影草〕) ○すはう 3首(短歌作品の「蘇芳」は赤色染料となる「蘇芳〔分類上:スホウ〕」ではなく、花木の「花蘇芳〔分類上:ハナズオウ〕」と思はれる) ○すひかづら 2首(分類上:スイカズラ。別名:忍冬〔ニンドウ〕) ○すみれ 3首(スミレ属の総称で多くの種がある。道端などで見かける野生の菫は「種」としてのスミレViola mandshuricaである) ○すもも 1首(中国原産) 〔せ〕5首 ○ぜらにうむ 3首(ゼラニウム〔ゼラニュームとも〕は園芸上の呼称であり、分類学上は属名をPelargonium〔テンジクアオイ〕と言ふ。分類学上の属名Geraniumは和名の「風露草属」を示す) ○せろりー 1首(分類上:オランダミツバ。別名:セロリ・セルリーなど) ○ぜんまい 1首 〔そ〕15首 ○そてつ 8首 ○そば 5首(日本で食用に供されるのは「普通ソバ〔Fagopyrum esculentum〕」と呼ばれるもの) ○そらまめ 2首 |
た行 234首 |
〔た〕134首 ○たいさい 1首(タイサイは変種名でありハクサイなどと同じ「種」に属する。日本では、葉柄が白いのをパクチョイ 、薄緑のをチンゲンサイと呼ぶ) ○たいさんぼく 4首(北アメリカ南部原産) ○たうがらし 1首 ○たうちばな 1首(短歌作品が成された飛騨地方では分類上のショウジョウバカマを言ふ) ○たうもろこし 6首(別名:トウキビ等) ○たけ 75首(広義のタケはイネ科タケ亜科に属するものの総称であり、狭義のタケのほかササ・バンブーを含むが、掲載の短歌作品はモウソウチク・マダケなど狭義のタケが中心と思はれる) ○たけにぐさ 2首 ○たちあふひ 6首 ○たで 11首(短歌作品中のタデには、タデ属ペルシカリア節に含まれる陸地生のイヌタデ〔別名アカマンマ〕・オオケタデ、水辺生のヤナギタデ等々が含まれると思はれる。『天眼』の蓼はオオケタデ) ○たぶのき 6首(別名:イヌグス・イヌクス、タマグス・タマクスなど) ○たまねぎ 2首 ○たものき 2首(短歌作品のタモノキとはトネリコ属のヤチダモ等か、ニレ属のものか、或いはそれ以外のものか判然としない) ○たら 3首(分類上:タラノキ) ○だいこん 5首(変種として、栽培用のダイコン、ハツカダイコン、ハマダイコン、ノダイコン等がある) ○だいづ 4首(分類上:ダイズ) ○だりあ 1首(属名) ○だんちく 4首(別名:ヨシタケ) 〔ち〕20首 ○ちーく 6首(属名) ○ちからぐさ 1首(『短歌清話』によれば『黄月』の「ちから草」は分類上のチカラシバ) ○ちがや 2首 ○ちこり 1首(分類上:チコリー。別名:キクニガナ) ○ちさ 1首(分類上:チシャ。別名:レタス) ○ちや 1首(分類上:チャノキ) ○ちゆーりつぷ 1首(属名) ○ぢんちやうげ 7首 〔つ〕59首 ○つき(→「けやき」の頁に掲載) ○つきみさう 3首(短歌作品のツキミソウは分類上では同属別種のマツヨイグサなど黄色系の花を咲かせる種と類推される。このマツヨイグサを一般に月見草と呼ぶこともあるが、分類上のツキミソウは白色系の花を咲かせる。何れも外来植物であり、広く野生化してゐるのはマツヨイグサなど黄色系であるが、白色系のヒルザキツキミソウも野生化してゐる) ○つくし 2首(土筆〔ツクシ〕はスギナの胞子体〔胞子茎〕を言ふ) ○つげ(『星宿』の「こまかなる黄楊の・・・」は『短歌清話』によればハクチョウゲ(白丁花)、その他の4首も花色や開化期から見て同様と思われる) 5首 ○つた 6首 ○つつじ 13首(属名。『星宿』の「むらさきつつじ」は大輪系の交配種ヒラドツツジと思はれる) ○つはぶき 6首 ○つばき 21首(一般にツバキと言へばCamellia japonica〔ヤブツバキ〕を言ひ、多くの園芸品種がある。サザンカもチャノキ〔茶〕もツバキ属に属する) ○つまぐれ(→「ほうせんくわ」の頁に記載) ○つめくさ 2首(短歌作品の詰草は、英名がクローバーであるマメ科シャジクソウ属のシロツメクサ・ムラサキツメクサと思はれる。ナデシコ科のツメクサ〔爪草〕は別科) ○つるな 1首(別名:ハマジシャ) 〔て〕1首 ○てんさい 1首(別名:サトウダイコン。砂糖用のビート) 〔と〕19首 ○とが 1首(分類上:ツガ) ○とち 2首(分類上:トチノキ) ○とどまつ 1首 ○とねりこ 1首(短歌作品のトネリコの種名は判然としない) ○とべら 4首 ○とまと 1首 ○とれにあ(→「なつすみれ」の頁に掲載) ○とろろあふひ 3首(トロロアオイの漢字表記には黄蜀葵を当てる。別名:ハナオクラ、漢名:黄蜀葵〔オウショッキ〕。『星宿』の「とろろあふひ」は『短歌清話』の記述に基づく) ○どいつたうひ 1首(分類上:オウシュウトウヒ。別名:ヨーロッパトウヒ・ドイツマツ) ○どうだんつつじ 5首 ○どくぜり 1首(別名:オオゼリ) |
な行 67首 |
〔な〕45首 ○なし 11首 ○なす 3首 ○なたね 1首(短歌作品は、分類上のセイヨウアブラナ〔別名:洋種ナタネ〕と思はれる。「なのはな」を参照) ○なつすみれ 1首(分類上:ハナウリクサ。ハナウリクサの学名のラテン語読み〔属名〕がトレニア) ○なつみかん 5首(別名:ナツカン・ナツダイダイ。この頁の「蜜柑畑」も「黄橙」も「黄柑」も分類上のナツミカン〔種名〕と推定される) ○なでしこ 3首(短歌作品のナデシコは分類上のカワラナデシコ〔河原撫子〕又はエゾカワラナデシコか?) ○ななかまど 5首(ナナカマドは日本を中心に自生し、街路樹としても植栽されてゐる。『冬木』の短歌作品はセイヨウナナカマドと思はれる) ○なのはな 10首(短歌作品のナノハナは、栽培されてゐるセイヨウアブラナ、野生化してゐるセイヨウカラシナ・セイヨウアブラナなどと思はれる。「なたね」参照) ○なら 6首(ミズナラ・コナラなど落葉性のコナラ亜属の総称) 〔に〕10首 ○にせあかしあ(→「あかしあ」の頁に掲載) ○にら 3首 ○にれ 2首(ニレ属の総称) ○にんじん 5首 〔ぬ〕0首 (該当短歌無し) 〔ね〕6首 ○ねぎ 2首 ○ねむ 4首(分類上:ネムノキ) 〔の〕6首 ○のうぜんかづら 1首(分類上:ノウゼンカズラ) ○のびる 1首 ○のぼたん 1首(短歌作品の「のぼたん」は分類上のノボタンではなくシコンノボタンか?) ○のり 3首(紅藻・緑藻などのうち岩石に着生する藻類の総称で、分類学的にはかけ離れたものを含む) |
は行 253首 |
〔は〕118首 ○はぎ 17首(属名) ○はくしよう 2首(分類上:シロマツ。別名:サンコノマツ) ○はげいとう 4首(別名:ガンライコウ、古名:カマツカ) ○はぐさ 1首(分類上のエノコログサ、メヒシバ、或いはオヒシバなどのことか?) ○はこねうつぎ 1首 ○はこやなぎ 1首(分類上:ヤマナラシ。別名:ドロヤナギ・ドロノキ・ハクヨウ) ○はす 17首 ○はなずはう(→「すはう」の頁に掲載) ○はなみづき 3首(別名:アメリカヤマボウシ) ○ははそ 1首(ドングリの生るブナ科の落葉樹クヌギ・コナラなどの総称) ○はひまつ 2首 ○はぼたん 7首 ○はまだいこん 6首(食用のダイコン〔種名〕の変種) ○はまなす 3首 ○はまひるがほ 2首 ○はままつよひ 1首(短歌作品は、分類上のコマツヨイグサ或いはハマベマツヨイグサと思はれる) ○はまゆふ 3首 ○はまゆり 1首(短歌作品は、分類上のスカシユリ〔種名〕の内、中部地方以北の海岸に自生する個体群イワトユリと推定される。スカシユリをハマユリと称することがある) ○はりもみ 2首 ○はんのき 8首(別名:ハリノキ等) ○ばせう 2首 ○ばら 27首(属名。バラ属には別掲のハマナスのほかノイバラも含まれる) ○ばれいしよ 7首(分類上:ジャガイモ) 〔ひ〕51首 ○ひさぎ 1首(楸〔ひさぎ〕は分類上のアカメガシワ又はキササゲを指すが、短歌作品が何れを対象としたものか不詳。「楸の若葉くれなゐの顕つ」から或いはアカメガシワか?) ○ひがんばな(→「まんじゆしやげ」の頁に掲載) ○ひし 3首 ○ひつじぐさ 1首 ○ひなげし(→「けし」の頁に掲載) ○ひのき 8首 ○ひば 5首(分類上はアスナロ及びアスナロの変種であるヒノキアスナロ〔青森ヒバなど〕を指す) ○ひま 2首(分類上:トウゴマ〔唐胡麻〕) ○ひまはり 1首 ○ひやくにちさう 2首(ヒャクニチソウの属名〔学名〕がジニア) ○ひるがほ 2首(『群丘』の「昼顔」は、奄美大島での作及び「紫」と言ふことからモミジバヒルガオか? 或いはグンバイヒルガオか?。『形影』の作品はアンコール・トムでの作) ○びは 24首 ○びらうじゆ 1首(分類上:ビロウ) ○ぴーまん 1首(分類上はトウガラシ〔種名〕に属し、その甘味種〔栽培品種〕がピーマン) ○ひやくじつこう(→分類上:サルスベリ。「さるすべり」の頁に登載) 〔ふ〕45首 ○ふうろさう 4首(『地表』の作品は基本種エゾフウロの変種ハクサンフウロ、『開冬』の作品はチシマフウロと思はれる) ○ふえにつくす 1首(日本では一般的に、分類上のカナリーヤシをフェニックスと称するが、本来フェニックスはナツメヤシ属を指す学名で、カナリーヤシもナツメヤシ属の一種) ○ふき 7首 ○ふぢ 15首(フジは属名で、日本に自生する種はフジ〔別名ノダフジ〕・ヤマフジの2種。ほかに園芸品種がある) ○ふよう 2首 ○ふりーじあ 1首 ○ぶーげんびれあ 1首(属名Bougainvillea。ブーゲンビリアとも。和名はイカダカズラ) ○ぶだう 9首(属名) ○ぶつさうげ 2首(ブッソウゲをハイビスカスとも言ふがハイビスカスは本来、ブッソウゲの属するフヨウ属の学名Hibiscusのこと) ○ぶな 3首 〔へ〕2首 ○べにうつぎ 1首(ベニウツギは本来タニウツギの変種を指す。短歌作品に言ふ「紅空木」は陸奥湾周辺に自生する「紅色の空木」即ちハコネウツギを指すか?) ○ぺちゆにや 1首(属名。和名:ツクバネアサガオ) 〔ほ〕37首 ○ほうせんくわ 13首(別名:ツマグレ・ツマクレナイ・ツマベニ) ○ほていあふひ 3首(別名:ホテイソウ・ウォーターヒヤシンス) ○ほととぎす 2首 ○ほほ 8首(分類上:ホオノキ) ○ぼたん 11首 |
ま行 194首 |
〔ま〕78首 ○まーがれつと 1首(分類上:モクシュンギク) ○まこも 5首(別名:ハナガツミ) ○まつ 56首(マツは属名。掲載の短歌作品はアカマツ又はクロマツと思はれる。アカマツ・クロマツは同属異種であるが、ホ―ムペ―ジ上では2種を区分せず短歌作品作成年順に配列してゐる) ○まつばぼたん 2首(種名。ポ―チュラカ〔Portulaca〕と呼ばれることもあるが、これは分類上の属名) ○まつむしさう 1首 ○まつよひぐさ 1首(佐藤佐太郎の短歌作品で「待宵草」の呼称を用いてゐるのは、この一首のみである。「つきみさう」参照。なほ「浜待宵」は別掲) ○まひづるさう 1首 ○まゆみ 2首(別名:ヤマニシキギ) ○まろにえ 1首(分類上:セイヨウトチノキ。marronierはフランス語名) ○まんじゆしやげ 8首(分類上:ヒガンバナ) 〔み〕33首 ○みかん 24首(ミカンは本来は科名であるが、一般にミカン属の内の「柑橘類」を指すことが多い。更には「柑橘類」の内でも種名ウンシュウミカン〔温州蜜柑(日本原産)〕を一般にミカンと称することが多い。ホ―ムペ―ジに「みかん」として分類し掲載してゐる短歌作品は「温州蜜柑」と推察され、この頁の『開冬』の「黄柑」も作歌背景から見て「温州蜜柑」である。但し、『群丘』の昭和32年の3首については作歌時期が4月であり、谷栄一氏記事(昭和62年「歩道」12月号)によると三宝柑であると言ふ。佐藤佐太郎は「黄柑」を「なつみかん」に当てて使用してゐる場合もあるので注意〔「なつみかん」の頁参照〕) ○みつまた 2首 ○みづき 1首 ○みづごけ 1首(属名。短歌作品の蘚〔こけ〕が分類上のミズゴケ〔属名〕か或いは湿地性の他の蘚類〔せんるい〕などであるか判然としない) ○みづな 1首(変種名。分類上の種名はラパ〔ミズナ・アブラナ・カブなどの変種を含む〕) ○みづなら 1首 ○みづばせう 1首 ○みづひき 2首 〔む〕33首 ○むぎ 22首(短歌作品はコムギ〔属名〕又はオオムギ〔種名〕と推定される) ○むくげ 10首 ○むべ 1首 〔め〕3首 ○めうが 3首 〔も〕47首 ○も 4首(「藻」は、一般的に淡水中や海水中に育つ極めて多様な植物群を示す。短歌作品の「藻」がどのやうな種類の藻であるか不詳) ○もくこく 1首(分類上の種名:モッコク) ○もくれん 5首(モクレンは本来、別名「紫木蓮」と呼ばれるものの分類上の種名である。モクレン属にはモクレン〔紫木蓮〕・ハクモクレン〔白木蓮〕・コブシ〔辛夷〕・タムシバのほかタイサンボク〔泰山木〕・ホオノキ〔朴の木〕などがある。掲載の短歌作品がハクモクレンかモクレン〔シモクレン〕かは『しろたへ』の一首を除き不詳) ○もちのき 5首(冬青〔とうせい〕はソヨゴ・モチノキの別名。『開冬』48年及び『天眼』の作品は「モチ」と読む。掲載の短歌作品は、及辰園に植栽されていたモチノキ) ○もみ 6首 ○もみぢ(→「楓」の頁参照) ○もめん 1首(「木綿」は分類上は「キワタ」であるが「もくめん」と読む場合もあり、「紅綿〔こうめん〕」「コットンツリー」とも呼ぶ。掲載の短歌作品は「もめん」と読む) ○もも 25首 |
や・ら・わ行 154首 |
〔や〕70首 ○やうていくわ 1首(羊蹄花はマメ科ハマカズラ属の羊蹄木〔ヨウテイボク、別名:斑入り蘇芯花(フイリソシンカ)、英名:オーキッド・ツリー〕を指すか?) ○やし 3首(ヤシは正しくは科名であるが、一般的にココヤシを指す場合が多く、掲載の短歌作品もココヤシと推察される) ○やちだも 1首(変種名) ○やつで 7首 ○やなぎ 24首(属名。シダレヤナギ・カワヤナギのほか多くの種があり、姿も変化に富む。掲載の短歌作品にもシダレヤナギ・カワヤナギ・その他が含まれてゐる) ○やまいも 1首(分類上:ヤマノイモ。別名:ジネンジョ) ○やまぐは(→「くは」の頁に掲載) ○やまごばう 1首(短歌作品の「山牛蒡」がヤマゴボウ科のヤマゴボウ〔中国原産の帰化植物。有毒〕・ヨウシュヤマゴボウ〔北アメリカ原産の帰化植物。有毒〕かキク科アザミ属のモリアザミ〔本州・九州に自生〕などであるか判然としないが、作歌背景から見て、或いはヨウシュヤマゴボウか?) ○やまたちばな 2首(「山橘」は分類上のヤブコウジ〔藪柑子〕の別名である。なほ『天眼』の短歌作品は黄色の実を対象としたと言ふ自註があり、別科のセンリョウ〔千両〕などの可能性も残る。黄色の実をつけるセンリョウはキミノセンリョウと呼ぶ。万両・千両・百両・十両などは何れも冬季に可愛い赤色の実を付けるが、草姿や実の付き方が異なり一見して区別可能) ○やまぶき 22首 ○やまぶだう 4首(ノブドウはヤマブドウとは別属別種) ○やまぼうし 4首 〔ゆ〕14首 ○ゆーかり 1首(属名) ○ゆきやなぎ 2首(別名:コゴメバナ) ○ゆず 2首 ○ゆづりは 1首 ○ゆり 4首(属名) ○ゆりのき 4首 〔よ〕4首 ○よつづみ 1首(分類上:ガマズミ。別名:ヨツズミ) ○よもぎ 3首(別名:モチグサ) 〔ら〕3首 ○らわん 2首(フタバガキ科ショレア属など材質が柔らかい樹種の総称) ○らん 1首(ラン科植物の総称〔科名〕。短歌作品の「蘭」は、「・・・虎杖の下に青々と雑草のごとく・・・」と言ふ表現から、ユリ科に属するヤブランなどラン科に属さない植物の可能性がある) 〔り〕10首 ○りゆうぜつらん(属名。『短歌清話』の記述に基づく)1首 ○りゆうのひげ 1首(分類上:ジャノヒゲ) ○りら 1首(分類上:ライラック。和名:ムラサキハシドイ。リラはフランス語由来の呼称) ○りんご 7首(分類上:セイヨウリンゴ) 〔る〕2首 ○るぴなす 1首(属名) ○るりさう 1首 〔れ〕6首 ○れたす1首(本来は、和名チシャ〔種名〕(別名:チサ)を指すが、日本では同じ種のうちの固い球形の玉レタスをレタスと言ふことが多い) ○れもん 1首 ○れんげう 4首(レンギョウは狭義には中国原産の種名を指すが、広義には属名を指す〔レンギョウ・ヤマトレンギョウ・チョウセンレンギョウ・セイヨウレンギョウなど〕) 〔ろ〕0首 (該当短歌無し) 〔わ〕34首 ○わかめ 8首 ○わさび 15首 ○わた 2首(属名) ○わらび 9首 〔ゐ〕2首 ○ゐぐさ 2首(標準和名:イ) 〔ゑ〕9 ○ゑんどう 9首(種名。幾つかの栽培品種がある) |
検索表の見方 |
短歌作品掲載ページの〔〕は植物名、〔〕に(注)とあるのは、分類学上の名称と異なるものや別名を有する場合などを示します(上記の植物名一覧表を参照)。 各短歌作品の前に付してある文字・記号は、@歌集名、A元号(t=大正、s=昭和)、B各歌集の作品登載年、C短歌新聞社文庫における登載ページを「P23」などのように示してゐます。 各短歌作品の末尾に「?」を付してゐるものは、具体的な植物名が判然としないことなどを示します。一方、短歌作品の中に具体的な植物名が記されてゐない場合であつても、作品の背景などから植物名が特定できるものは、具体的な植物名の中に配置してゐます。 生物の分類は例へば野薔薇を例にとると、次のやうになつてゐます。 界 植物界 門 被子植物門 綱 双子葉植物綱 目 バラ目 科 バラ科 属 バラ属 種 ノイバラ 〔科の下に亜科、属の下に亜属、種レベル以下では更に 亜種・変種・品種名が与へられることがあります〕 従つて、上記の植物名一覧表中、「同属別種」などとあるのは、分類上から見て「同じ属にあるが種が異なる」ことを意味します。 また「(科名)」などとあるのは、分類学上の「科」レベルの名であることを示してゐます。 (分類上:○○)とあるのは、短歌作品に於ける名称と分類学上の名称が異なる場合に、分類学上の名称を参考として記してゐます。 「ひらがな」は全て歴史的仮名遣、分類名・外来語などの片仮名表記は現代仮名遣です。 お気づきのことがありましたら、トップページのメールボックスから、お知らせください。 |