佐藤佐太郎の書画
〜江畑美術館収蔵

江畑美術館のご案内
これらの書画は江畑美術館館長で「歩道」同人の江畑耕作氏によるご好意により掲載させていただくものです



テキスト ボックス: あるときは日のまともにて白梅の最勝の白しばし輝く 熱海の梅園にて(昭和五十二年 天眼) テキスト ボックス: 青々としげりて嘉植なきところ足摺岬に海高く見ゆ 蘇東坡曰海南無嘉植(昭和四十九年 開冬) テキスト ボックス: 黒き鯉朱き鯉むれて寄るみれば身をそばだてて人に親しむ(昭和四十四年 形影)。筆跡では「そばだてて」は漢字表記。歌集では「赤」と表記。 テキスト ボックス: 動きくる雲の中なる濃き雲の如く樹帯はおぼろになりつ(昭和三十六年 群丘)。歌集では「ごとく」
テキスト ボックス: 白梅にまじる紅梅遠くにてさだかならざる色の楽しさ(昭和五十二年 天眼) テキスト ボックス: 収めたる冬野を見つつゆく夕べひろき曇に天眼移る(昭和五十年 天眼)。歌集では「みつつ行くゆふべ」 テキスト ボックス: 鳥雀のごとたあいなく秋の日のいまだ暮れざるに夕飯をまつ(昭和四十四年 形影)。歌集では「待つ」 テキスト ボックス: 冬山の青岸渡寺の庭に出でて風にかたむく那智の瀧見ゆ(昭和四十三年  
形影)。歌集では「滝」。
テキスト ボックス: 生るる蝉少きゆゑに聞こえくる蝉夏の日に稀になりたり(昭和五十三年 天眼) テキスト ボックス: 午睡よりさめし老びといま坂をゆく一日の幻いづれ(昭和五十一年 天眼) テキスト ボックス: 落葉せる白樺林幹白く立ちてふかぶかし雲にまじはる(昭和四十六年 開冬)。歌集では「落葉して幹白く立つ木々ふかし白樺林雲にまじはる」 テキスト ボックス: 冬晴れの一日の光傾きて海にみじかき虹たつあはれ(昭和四十三年 形影)。歌集では「晴れ」は「晴」、「一日」はひらがな表記。
テキスト ボックス: いづこにも今年の蝉の聲すれど老いて漸く反応にぶし(昭和五十七年 星宿)。歌集では「声きこえ老いて反応のにぶきわが日々」。筆跡では「応」は旧字体表記 テキスト ボックス: 冬ながら甘藍うまきところにて青き畑海の光を受くる(昭和五十二年 天眼) テキスト ボックス: 晴天に風鳴る四月盡の晝温泉の濤に病む身をひたす(昭和四十八年 開冬)
歌集では「尽」「ひる」と表記。
テキスト ボックス: あたらしき風濤三百六十の日々を凌がん健かにして(昭和四十四年 形影)